オーナーへの退職金の支払いで、どのような効果が期待できますか?

 

オーナーの役員退任時に退職金を支払うことにより、自社株の評価が下がる効果が期待できます。
そして、オーナーは、少ない税負担で現金を得られます。

1.退職金支給による自社株の評価減
 オーナーに退職金を支払えば、会社財産が減ることと、退職金を支給した事業年度の利益が減少す
ることによって、自社株の評価が下がります。オーナーの役員在任期間が長い場合には、支給する退
職金が多額となり、自社株の評価額に大きな影響を及ぼすことが多いといえます。
 自社株の評価が下がった時期に、相続時精算課税制度を選択して後継者に自社株を贈与することに
より、少ない税負担で後継者に株式を移転することが可能となります。

2.退職金に対するオーナーの税負担
 退職金は、長年の労働の対価です。そして、老後の生活資金となる大切なものです。それゆえ、税金面で特別な優遇規定が定められていて、税負担は少なく、手取り額は大きくなります。
 退職金を一時金で受け取る場合には、所得税・住民税共に、税金は次のように算出します。
(退職金-退職所得控除)×1/2=退職所得
退職所得×税率=税額

3.退職金をいくら支給するか
 法人税で損金にできる退職金は、役員が業務に従事した期間・退職の事情・自社と類似規模で同種
事業を営む会社の役員に対する退職金の支給の状況等を考慮して、決定することになっています。
 退職金の支給額の算定方式については、代表的なものとして、功績倍率方式があります。この方式
によると、退職金は次のように計算されます。
退職金=最終月額報酬×役員の在籍年数×功績倍率(2~3倍)
 なお、退職金の支給については、退職金の金額・時期・方法等の支給に関する一定の基準を内規と
して定めておくことが重要です。

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