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役員に対して支払った退職金は、いつ損金算入すればいいのでしょうか。

 

2006年4月1日から始まる事業年度に、法人が役員に対して支払う退職金で妥当な額数のものは、損金算入がされます。その時期は、株主総会の決議などから具体的な退職金の額数が決まった日の含まれる事業年度になります。
しかし、法人が実際に退職金の支払いを行った事業年度に、損金経理をした時は、その事業年度に損金算入することも可能となっています。

*具体的な退職金の額数が決まる事業年度より前の事業年度に、取締役会で内定された額数を損金経理によって未払い金に計上した時でも、未払い金に計上した時の損金算入をすることは認められません。
*法人が退職年金制度の実施をしている時に支払う退職年金は、その年金の支払いが行わなければならない事業年度が損金参入時期になります。このことから、退職した時の年金の総額を算出して未払い金に計上しても、損金算入をすることは不可能となります。

役員に支払う退職金の損金算入はいつの時期に行えればいいのでしょうか。

 

2006年3月31日までに始まる事業年度に、法人が役員に支払う退職金で妥当な額数については、損金経理を条件にして損金算入が可能となります。その退職金の損金参入時期は下記のようになります。

1.支払わなければならない退職金が株主総会の決議などでその具体額が決まった事業年度で損金経理の処理をした時は、その決まった事業年度
2.退職金の支出をした事業年度で損金経理の処理をした時は、その支払った事業年度
3.法人が退職年金制度の実施をしている時に支払う退職年金は、その年金の支給がされなければならない事業年度
このことから、退職をした時に年金の総計度の計算をして未払い金に計上するとしても、損金算入は不可能となります。この時、退職年金の支給を行う都度退職金に補充する経理をして、確定申告書に損金算入した時は、認められることとなります。
4.具体的な退職金が決まる事業年度より前の事業年度に、取締役会で内定された額数を損金経理することで未払い金に計上した時は、未払い金に計上した時の損金算入は不可能となります。
それから、退職金の額数が決まった事業年度・退職金の支払いが行われた事業年度に、確定されて支払った額数を確定申告書に損金算入した時は、認められることとなります。

また、その額数が具体的に決まった事業年度の後の事業年度に退職金を支払って仮払金とする経理処理をした時は、それからのじぎょ年度に、仮払金を損金経理することで償却しても損金不算入となりますので注意が必要です。

使用人を役員に昇格しようと思います。この時、使用人として働いた期間に応じて支払う退職金はどのような扱いになるのでしょうか。

 

法人が会社を出た役員に支払う退職金の中で、対象の役員の退職にまつわる事情、その業務をしていた期間、対象の法人と同じ業界に入っている他の法人の役員退職金の状況などから判断し、妥当であると考えられる額数は、その退職金の額数が決まった事業年度に損金経理を条件とした損金算入することが可能です。
なお、実際に退職をしていなくとも、使用人から役員に昇格された人が分掌変更を行った時の退職金に関しては、下記の項目によることとなります。

≪1≫ 法人の使用人から昇格した役員に対する退職金
1.法人の使用人から役員に昇格した時に、退職給与の定めによって、使用人として勤務した期間の退職金で算出される額数を支払った時は、その事業年度の損金算入がされます。しかし、未払い金に計上した時は、損金不算入となります。
2.使用人兼務役員が、専務取締役や複社長など、使用人兼務役員にならない役員になった時に、使用人兼務役員として勤務した期間の退職金として支払った額数は、使用人の職務に支払う退職金で計算されていても、役員の退職金以外の給与になります。しかし、その支払いが下記のどちらにも当てはまるものに関しては、その支払った額数は使用人に対する退職金として取り扱われます。
(1)過去に、使用人が使用人兼務役員に昇格した人で、その昇格がされた時に使用人として勤務した期間に対する退職金が支払われていないこと
(2)支払った金額が、使用人に対する退職給与の定めに従って、使用人として勤務した期間と使用人兼務役員として勤務した期間を足し合わせて、その使用人に支払う退職金の計算になると同時に、退職金として妥当な額数であるという認定がされたこと
3.法人が退職給与の定めの制定・改正を行って、使用人から昇格した役員に対する退職金を支払った時、その制定などを行った時に対象の役員の全てに使用人として勤務した期間の退職金をその制定などの時に支払って損金算入をした時は、その支払いが下記のどちらにも当てはまるものに関しては、その損金算入が可能となります。
(1)支払った退職金の額数が、その役員が役員になるすぐ前の給与の額数を基にして、それからのベースアップ状況などのしんしゃくをして計算される退職金の額数で妥当な額数であること
(2)過去に、このような人に使用人の金部期間に対する退職金の支払いをしていないこと。
この時、確定拠出年金制度・中小企業退職金共済制度に移行などをすることによって、退職給与の定めを制定・改正して、使用人に退職金の打ち切り支払いを行ったお時でも、その支払に妥当な理由があると同時に、それからは過去の在職の年数を加味しないことになっている時は、その過去に、退職金の支払いをしていないものと同様の扱いになります。

≪2≫ 役員が分掌の変更を行った時の退職金
例えば下記のように、分掌の変更をすることで役員としての職務・地位の内容が激変され、実際に退職したと同じ事業になる時に退職金の支払いがされたものは退職金として支払うことが可能です。しかし、未払い金に計上した物は、退職金に入らないことが原則です。
1.常勤役員から非常勤役員になったこと:常勤していなくとも実質的に法人の経営上、主要な地位を占めていたり、体表権を持っていたりする時は除外です。
2.取締役から監査役になったこと:監査役であると同時に実質的に法人の経営上、主要な地位を占めている時や、使用人兼務役員になれない大株主になる時は除外となります。
3.分掌が変更された後の役員給与が大概半分以上減ったこと:分掌変更の後でも、実質的に法人の経営上、主要な地位を占めていると考えられる時は除外になります。

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