2006年3月31日までの事業年度に支払った役員賞与と役員報酬は、どのように分ければいいのでしょうか。
2006年3月31日までの事業年度に、法人が支払った役員給与の中で、報酬は、その支払わなければならないことが決まった日の含まれる事業年度の損金算入がされますが、賞与は損金不算入となります。
報酬は、役員に支払う給与の中で、退職給与と賞与以外のものです。
賞与は、その名目に関わらず、臨時的に支払われる給与で退職以外のものをいうのが原則です。
このような給与には、債務の免除からの利益とその他の経済的利益も入ります。
賞与と報酬は、下記のように分けられます。
1.事前に決められた支給基準で、毎月、毎週、毎日のような月以下の単位で規則的に、継続して反復支給される定期給与は、報酬です。
しかし、このような給与でも、普段の昇格など以外に、特定月だけ増額の給与が支払われた時は、その給与の中でそれぞれの月に支払われる額数を超過する部分は賞与になります。
2.定期給与を他の所からもらっていない非常勤の役員に、引き続けて毎年1回や2回、一定期間に低額の支払いがされる定めに従って支払うものは報酬です。
しかし、利益に一定割合を乗じて計算されることになった時は賞与です。
3.固定給以外に支払われる能率給、歩合給などの中で、使用人に支払う給与基準と同様の基準で支払うものは報酬です。
4.定期の社員総会、株主総会などで、役員報酬の支給の限度額の増額の改訂が決まり、その決議が行われた日の含まれる事業年度の始まるいから増額がされることになった時は、その増加した分として一括支給が行われるものは報酬になります。
また、役員報酬でも、法人が仮装して、または事実の隠ぺいをして経理処理を行ってその役員報酬を支払う時は、損金不算入となります。
なお、下記のようなものは通常の額数を超えた役員報酬となるので、損金不算入になります。
1.株式総会の決議や定款の定めによって、報酬の支給限度を決めていた法人が、その支払限度を超過して支払った時のその超過部分
2.報酬の中で、法人の使用人に支払う給与の支給状況とその収益、対象の役員の職務内容、対象の法人と同種業界にある法人の役員報酬などから判断して過大であると考えられる額数
この時の過大であると考えられる額数の判断は、法人が仮装して経理をすることや、事実を隠ぺいすることで、役員に支払う報酬の額数を除いてされます。